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【上級編】ChatGPT画像生成プロンプトの極意:品質・一貫性・編集テクニック

ChatGPT画像生成 上級プロンプト術

早川 誠司|生成AI活用コンサルタント/業務効率化アドバイザー

「ChatGPTで画像は作れるようになったけど、もっとクオリティを上げたい!」

「同じキャラクターを、違うポーズや背景で描かせたい…」

「生成した画像の一部だけ、うまく修正する方法はないかな?」

ChatGPTの画像生成機能の基本をマスターしたあなたが次に目指すのは、より高品質で、意図通りの画像を自在に操ることではないでしょうか?

この記事は、そんな中級〜上級者の方に向けて、ChatGPT画像生成のプロンプトをさらにレベルアップさせるための極意を解説します。品質を高める詳細な指示方法、キャラクターの一貫性を保つテクニック、そして生成画像を編集する機能まで、一歩進んだ活用術を探求しましょう。

目次

なぜプロンプトが重要なのか?基本原則の再確認

上級テクニックに入る前に、なぜプロンプトがこれほど重要なのかを再確認しましょう。AIにとってプロンプトは、設計図であり、指示書そのものです。プロンプトの質が、生成される画像の質を直接左右します。

基本的な原則は「具体的に、詳細に、明確に」伝えることです。しかし、上級者を目指すなら、さらに踏み込んだ工夫が必要になります。

【基本のおさらい】 まずは基本の使い方やプロンプトのコツを確認したい方は、こちらの記事をご覧ください。

品質を劇的に向上させるプロンプト術

より高品質で、あなたのイメージに近い画像を生成するための、具体的なプロンプトテクニックを紹介します。

詳細描写のテクニック:五感を刺激する言葉選び

単に要素を並べるだけでなく、AIが情景を豊かに想像できるような言葉を選びましょう。

  • 被写体の属性: 色、形だけでなく、素材感(例:「光沢のあるシルクのドレス」「ざらついた古木の質感」)、状態(例:「使い古された革のソファ」「焼きたてのパン」)などを描写します。
  • 背景・環境: 場所だけでなく、時間帯(例:「夜明け前の薄明かり」「真夏の昼下がり」)、天気(例:「霧雨が降る」「強い西日が差し込む」)、雰囲気(例:「静寂に包まれた」「活気あふれる市場」)を伝えます。
  • 光と影(ライティング): 光の当たり方は画像の印象を大きく左右します。「柔らかい自然光」「劇的な逆光」「ネオンサインの反射」「暖炉の暖かい光」など、具体的な光源や効果を指定します。
  • 構図・視点: カメラワークを意識します。「被写界深度を浅くして背景をぼかす」「ローアングルから見上げる」「ドローンで俯瞰したような視点」「オランダ傾斜(ダッチアングル)で不安定感を出す」など、専門的な用語も有効な場合があります。

スタイルと雰囲気の指定:より深く、多角的に

「〇〇風」だけでなく、さらに具体的な要素でスタイルを定義します。

  • 芸術様式・時代:アールヌーボー調の装飾」「バロック絵画のような重厚感」「サイバーパンクのネオンと雨」「印象派の筆致」など。
  • 感情・ムード:ノスタルジックで感傷的な雰囲気」「希望に満ちた明るいムード」「ミステリアスで緊張感のある」など、画像全体から伝わる感情を指定します。
  • 色彩:補色を大胆に使った」「モノクロームでハイコントラストな」「セピア調で統一された」「パステルカラーの優しい色合い」など、カラーパレットやトーンを指定します。

ネガティブプロンプトの活用:「描かないでほしい」を伝える

意図しない要素が生成されるのを防ぐために、「〇〇は含めないで(no 〇〇)」という指示(ネガティブプロンプト)を使います。

  • 例:「A beautiful landscape painting, no people, no buildings」(美しい風景画、人物なし、建物なし)
  • 例:「A photorealistic portrait of a cat, --no text, --no signature」(猫の写実的なポートレート、文字なし、署名なし)

--no 形式は他の画像生成AIでよく使われる記法ですが、ChatGPTでは自然言語で「〇〇は含めないでください」と指示する方が有効な場合が多いです。

英語プロンプトの活用

日本語でも高度な指示は可能ですが、美術用語、専門用語、特定のニュアンスなどは、英語の方がAIの学習データが多く、より正確に反映される傾向があります。翻訳ツールなどを活用し、英語でのプロンプトも試してみる価値はあります。

キャラクターの一貫性を保つテクニック

複数の画像で同じキャラクターを登場させるのは、AI画像生成の大きな課題の一つでしたが、GPT-4oでは大幅に改善されました。

なぜ一貫性が難しいのか?

AIは通常、各画像を独立して生成するため、前の画像の特徴を完全に引き継ぐのが苦手でした。服装や髪型、顔の特徴などが微妙に(あるいは全く)変わってしまうことがよくありました。

GPT-4oでの改善点

GPT-4oは、会話の文脈を理解する能力が高いため、前の応答で生成した画像やキャラクターの特徴を踏まえた上で、次の画像を生成・修正することが得意になりました。

一貫性を高めるプロンプトの工夫

  • 詳細かつ一貫した描写: キャラクターの外見(髪型、髪色、目の色、服装、アクセサリー、体型など)や、持ち物、特徴的な癖などを、毎回同じ言葉で、できるだけ詳細に記述します。
  • 名前や役割を与える: キャラクターに名前を付け、「〇〇(名前)は〜な性格で、いつも〜な帽子をかぶっている」のように設定を加えることも有効です。
  • 参照画像と対話:
    1. 最初にキャラクター画像を生成します。
    2. その画像を提示しながら、「このキャラクターが、今度は公園で本を読んでいる様子を描いてください。服装は同じでお願いします」のように、前の画像を明確に参照しながら次のシーンを指示します。
  • シード値(Seed)の活用(主にAPI): 画像生成APIなどでは、同じシード値を指定することで、似たような構図や雰囲気の画像を生成しやすくなる場合があります。ChatGPTのインターフェースで直接シード値を指定できるかは不明確ですが、API利用時には有効なテクニックです。

完全な一貫性を保証するのはまだ難しい場合もありますが、これらの工夫で成功率は格段に上がります。

生成画像を編集・修正するテクニック

ChatGPT(GPT-4o)には、生成した画像をさらに編集・修正するための機能が搭載されています。

ChatGPT内での編集機能(インペインティングなど)

  • 選択ツール: 生成された画像をクリックすると、多くの場合、画像の一部を選択できるツールが表示されます(インターフェースは変更される可能性があります)。このツールで編集したい範囲を指定します。
  • プロンプトで修正指示: 範囲を選択した後、「この部分を〇〇に変えて」「ここに〇〇を追加して」「この要素を削除して」のように、テキストで具体的な修正内容を指示します。
  • 具体的な編集例:
    • 不要物の削除:「背景に写り込んだ電線を消して」
    • 要素の追加:「この人物に眼鏡をかけさせて」
    • 要素の変更:「この車の色を赤に変えて」
    • 表情の変更:「もっと笑顔にして」

編集時の注意点

  • 意図しない箇所への影響: 選択範囲の周辺や、画像全体の雰囲気が意図せず変わってしまうことがあります。
  • 精度限界: 細かすぎる修正や、大幅な構図の変更などは、まだ難しい場合があります。
  • 試行錯誤: 編集もうまくいかない場合は、プロンプトの表現を変えたり、選択範囲を調整したりして、何度か試すことが必要です。

【もっと詳しく】画像生成時のエラーや予期せぬ結果への対処法はこちらの記事で解説しています。

画像からの生成と参照画像の活用

テキストだけでなく、既存の画像を起点に新しい画像を生成することも、高度なテクニックの一つです。

アップロードした画像を元に新しい画像を生成

  • スタイル変換: 「この写真を〇〇風のアニメイラストにして」
  • 要素の変更: 「この風景写真の季節を冬に変えて」
  • 構図の変更: 「このキャラクターを、もっと引いた視点から描いて」
  • インスピレーション: 「この画像の雰囲気を参考にして、オリジナルのキャラクターをデザインして」

プロンプトで元画像と変更点を明確に指示することが重要です。

複数の参照画像を用いる

場合によっては、複数の画像をアップロードし、「画像Aのキャラクターを、画像Bの背景に入れてください」のような指示も可能です(成功率は指示内容によります)。

サイズ、解像度、アスペクト比の指定

生成される画像のサイズや形をコントロールしたい場合もあります。

プロンプトでの指定

  • ChatGPTのインターフェースでは、プロンプト内でアスペクト比(縦横比)を指定することが有効な場合があります。
    • 例:「16:9の横長の画像で」「正方形のアイコン」「縦長のポスター風
  • ただし、必ずしも正確に反映されるとは限りません。

API利用時のパラメータ指定

画像生成APIを利用する場合は、より厳密にサイズや品質を指定できます。

  • sizeパラメータ: 生成する画像のピクセルサイズを指定します。モデルによって対応サイズが異なります(例:DALL-E 3では “1024×1024”, “1792×1024”, “1024×1792″)。
  • qualityパラメータ: “standard”(標準)または “hd”(高画質)を選択できます(DALL-E 3の場合)。HDはより精細ですが、生成時間が長くなる可能性があります。

ChatGPTのインターフェースでこれらのパラメータを直接設定できるかは不明確ですが、APIを使えばより細かい制御が可能です。

【もっと詳しく】モデルごとの機能やAPIについては、こちらの記事も参考にしてください。

まとめ:プロンプトと編集を駆使して理想の画像を追求しよう

ChatGPTの画像生成機能を使いこなし、より高度な表現を目指すためのテクニックを紹介しました。

  • プロンプトは詳細に: 品質を高めるには、五感に訴える描写、スタイルや雰囲気の多角的な指定が鍵。
  • 一貫性は対話で: キャラクターの特徴を固定し、生成画像を参照しながら指示を出すことで一貫性を高める。
  • 編集機能を活用: 生成後の微調整や要素の追加・削除には、選択ツールと修正指示を組み合わせる。
  • 画像起点の生成: 既存画像をスタイル変換したり、参考にしたりすることで表現の幅が広がる。
  • パラメータも意識: アスペクト比などをプロンプトで指定したり、APIでサイズ・品質を制御したりする。

これらのテクニックを駆使しても、AI画像生成は常に試行錯誤の連続です。失敗を恐れず、様々なプロンプトや編集方法を試しながら、あなただけの理想の画像を追求してみてください。ChatGPTは、あなたの創造性をさらに引き出すための強力なパートナーとなるでしょう。

早川 誠司(執筆・監修専任)
生成AI活用コンサルタント/業務効率化アドバイザー
大手IT企業でDX推進に従事後、独立。100社以上の中小企業に生成AIソリューションを提供。「すぐ使える業務効率化」をモットーに発信中。
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