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ChatGPT無料API入門:無料枠の真実・料金・始め方を解説 (開発者向け)

ChatGPT API入門ガイド

早川 誠司|生成AI活用コンサルタント/業務効率化アドバイザー

ChatGPTはWebサイトやアプリで対話的に利用するのが一般的ですが、「API(エーピーアイ)」を使うことで、開発者は自身のプログラムやサービスにChatGPTの機能を組み込むことができます。

APIとは?

簡単に言うと、ソフトウェア同士が情報をやり取りするための「接続口」のようなものです。ChatGPT APIを使えば、例えば以下のようなことが可能になります。

  • 自社開発のチャットボットにChatGPTの会話能力を組み込む
  • 大量のテキストデータを自動で要約・分類するツールを作成する
  • Webサイトの記事を自動生成するシステムを構築する
  • プログラミングコードの自動生成やレビューを支援する

この記事では、ChatGPT APIを利用したいと考えている開発者や技術担当者の方に向けて、APIの基本、料金体系、そして特に誤解の多い「無料枠」について、さらにAPIキーの取得方法や簡単な使い方を解説します。

目次

【最重要】APIの「無料枠」に関する真実:「無料」で使い続けられる?

[chatgpt 無料 api], [chatgpt api 無料 枠] といった検索が多く見られますが、ここで非常に重要な点をお伝えします。

結論から言うと、2025年4月現在、OpenAI APIには継続的に利用できる「無料枠」は基本的に存在しません。

過去には、新規アカウント登録時に少額の無料クレジット(試用期間のようなもの)が付与されていた時期もありましたが、現在はこのプログラムは多くの場合停止されています。

OpenAIのドキュメントで「Free Tier」という言葉が出てくることがありますが、これは主にAPIの利用頻度に関する制限(レートリミット)の区分を指しており、「料金が無料」という意味ではありません。

APIを利用するためには、原則としてOpenAI Platformに支払い情報を登録し、従量課金で利用料金を支払う必要があります。 最低$5からのクレジット購入、または後払い設定が必要です。

この点を誤解していると、予期せぬ料金が発生する可能性があるため、十分に注意してください。

OpenAI APIの料金体系:トークン課金の仕組み

ChatGPT APIの利用料金は、主に「トークン」という単位に基づいた従量課金制です。

  • トークンとは?: テキストデータを処理するための単位です。英語では概ね1単語が1トークン程度、日本語ではひらがな1文字、漢字1文字が1~3トークン程度に換算されます(モデルにより異なります)。
  • 課金の仕組み: APIに送るテキスト(入力トークン)と、APIから受け取るテキスト(出力トークン)の両方に対して、利用したトークン数に応じて料金が発生します。
  • モデルごとの価格差: 利用するAIモデル(例: gpt-4o, gpt-4o-mini など)によって、1トークンあたりの単価が異なります。一般的に、高性能なモデルほど単価が高くなります。
  • 追加料金: テキスト生成以外にも、画像生成APIや音声APIなどを利用する場合は、別途料金が発生します。
モデル例入力 (100万トークンあたり)出力 (100万トークンあたり)特徴
gpt-4o$5.00$15.00最新・最高性能 (テキスト)
gpt-4o-mini$0.15$0.60高速・低コスト
gpt-3.5-turbo$0.50$1.50バランス型 (旧モデル)
(DALL-E 3など画像API)(画像サイズ等による)(画像サイズ等による)画像生成

(注意) 上記は料金例であり、常に変動する可能性があります。最新の正確な料金は、必ずOpenAI Pricingページで確認してください。

コスト管理

意図しない高額請求を防ぐために、OpenAI Platformの管理画面で利用上限額を設定したり、定期的に利用状況(Usage)を確認したりすることが非常に重要です。

API利用開始の手順

APIを利用するための準備は以下の通りです。

  1. OpenAIアカウント作成: まだアカウントがない場合は、ChatGPTのサイトまたはOpenAI Platformでアカウントを作成します。
  2. OpenAI Platformへログイン: OpenAI Platformにログインします。
  3. 支払い情報の登録: メニューから「Billing」または「支払い」セクションに進み、クレジットカード情報などを登録します。最低$5のクレジットを購入するか、後払い設定(利用可能な場合)を行います。
  4. APIキーの生成: メニューから「API keys」セクションに進み、「Create new secret key」ボタンを押してAPIキーを生成します。
  5. 【超重要】APIキーの安全な保管:
    • 生成されたAPIキーは一度しか表示されません。必ず安全な場所にコピーして保管してください。
    • APIキーは絶対に外部に漏らさないでください。 GitHubなどの公開リポジトリに含めたり、クライアントサイドのコードに直接埋め込んだりすることは非常に危険です。漏洩すると、第三者に不正利用され、高額な請求が発生する可能性があります。
    • 環境変数ファイル(.envなど)に保存し、プログラムから読み込む方法が推奨されます。

最初のAPI呼び出し:簡単なテスト(Python例)

APIキーが取得できたら、簡単なコードでAPIを呼び出してみましょう。以下はPythonのopenaiライブラリを使った例です。

Python

# pip install openai が必要
import os
from openai import OpenAI

# 環境変数からAPIキーを読み込むことを推奨
# client = OpenAI(api_key=os.environ.get("OPENAI_API_KEY"))
# 下記は直接キーを指定する例(非推奨)
client = OpenAI(api_key="あなたのAPIキーをここに貼り付け") # ← 安全な方法で管理してください!

try:
  completion = client.chat.completions.create(
    model="gpt-4o-mini", # 低コストなモデルでテスト
    messages=[
      {"role": "system", "content": "You are a helpful assistant."},
      {"role": "user", "content": "日本の首都はどこですか?"}
    ]
  )

  print(completion.choices[0].message.content)

except Exception as e:
  print(f"エラーが発生しました: {e}")

  • ポイント:
    • 事前に pip install openai でライブラリをインストールしておきます。
    • api_key には、先ほど取得したAPIキーを指定します(環境変数からの読み込みがベストプラクティスです)。
    • model で利用するモデルを指定します。テスト段階では低コストな gpt-4o-mini などを使うのがおすすめです。
    • messages でChatGPTに送る指示や質問を記述します。

レート制限について

APIには、短時間に大量のリクエストを送ることを防ぐための「レート制限」があります。プランや利用状況に応じて、1分あたりに呼び出せる回数(RPM)やトークン数(TPM)に上限が設けられています。制限を超えるとエラーが発生するため、大量のリクエストを送る場合は、適切な待機処理(リトライ処理)などを実装する必要があります。

API利用の注意点まとめ

  • コスト意識: API利用は従量課金です。利用状況を常に把握し、予算管理を徹底しましょう。
  • APIキー管理: APIキーは最重要機密情報として、厳重に管理してください。
  • エラーハンドリング: レート制限エラーやネットワークエラーなど、API呼び出しが失敗する場合を想定したエラー処理をプログラムに組み込みましょう。
  • 利用規約の遵守: OpenAIの利用規約やポリシー(禁止されている利用方法など)を必ず確認し、遵守してください。

まとめ:API活用の第一歩

ChatGPT APIは、開発者にとって非常に強力なツールですが、その利用には正確な知識と注意が必要です。

  • 無料枠は基本的にない(原則有料)ことを理解する。
  • トークン課金の仕組みを把握し、コストを意識する。
  • APIキーは絶対に漏洩させないよう厳重に管理する。
  • 利用規約を守って利用する。

これらの点を踏まえた上で、まずは少額のクレジットで低コストなモデルから試してみて、API連携の可能性を探ってみてはいかがでしょうか。

より詳細な情報や最新情報については、必ずOpenAI Platformの公式ドキュメントを参照してください。

早川 誠司(執筆・監修専任)
生成AI活用コンサルタント/業務効率化アドバイザー
大手IT企業でDX推進に従事後、独立。100社以上の中小企業に生成AIソリューションを提供。「すぐ使える業務効率化」をモットーに発信中。
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