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ChatGPT Plusデータ分析(Advanced Data Analysis)活用術:Excel/CSV連携からグラフ作成まで【実践ガイド】

ChatGPTデータ分析 Excel/PDF読込/グラフ

早川 誠司|生成AI活用コンサルタント/業務効率化アドバイザー

「ChatGPT Plusのデータ分析機能って、何ができるの?」

「ExcelやPDFファイルを読み込ませて分析できるって聞いたけど、本当?」

「プログラミング知識がなくても使えるのかな?」

「具体的な使い方や、どんなプロンプト(指示)を出せばいいか知りたい!」

ChatGPT Plusの目玉機能の一つであるデータ分析機能(旧称:Advanced Data Analysis / Code Interpreter)。この機能を使えば、これまで手間がかかっていたデータ集計やグラフ作成、ファイルからの情報抽出などを、ChatGPTとの対話を通じて簡単に行えるようになります。

しかし、「何ができるかは知っているけど、実際にどう使えばいいかわからない」「試してみたけど、うまく指示が出せない」と感じている方も多いのではないでしょうか?

この記事は、そんなあなたのための実践的なデータ分析活用ガイドです。機能の基本的な使い方から、Excel/CSVファイルの集計、グラフ作成、PDFからの情報抽出、さらには効果的なプロンプトのコツや注意点まで、具体的な手順と例を交えて分かりやすく解説します。

この記事を読めば、あなたもChatGPT Plusのデータ分析機能を使いこなし、日々の業務や学習を劇的に効率化できるようになるはずです!

(ChatGPT Plusの機能全体の概要はChatGPT Plusでできること総まとめ!をご覧ください。)

目次

ChatGPT Plusのデータ分析機能とは? (旧称: Advanced Data Analysis / Code Interpreter)

ChatGPT Plusのデータ分析機能は、単にテキストで会話するだけでなく、実際にデータを処理・分析できる能力をChatGPTに与えるものです。

  • ファイルのアップロード: Excel、CSV、PDF、Word、画像など、様々な形式のファイルをChatGPTに直接アップロードできます。
  • データの処理・分析: アップロードしたデータの内容を読み取り、集計、クリーニング、変換、簡単な統計分析などを行えます。
  • グラフ作成(データ可視化): 分析結果を折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフなどで視覚的に表示させることができます。
  • コード実行: 裏側ではPythonというプログラミング言語が動いており、必要に応じてPythonコードを生成・実行してくれます。そのため、プログラミング知識がなくても、指示を出すだけで高度な処理が可能です。

専門的なデータ分析ツール(TableauやPower BIなど)を完全に置き換えるものではありませんが、日常的なデータ作業や、データ探索の第一歩として、非常に強力で便利な機能です。

【準備】データ分析機能を使う前に:有効化とファイルアップロード

データ分析機能を使うための準備は簡単です。

機能の有効化(現在はデフォルト有効が多い)

以前は設定画面から有効化する必要がありましたが、現在(2025年4月時点)のChatGPT Plusでは、多くの場合デフォルトで有効になっています。チャットを開始する際にモデルとして「GPT-4」を選択し、チャット入力欄の左側にあるクリップマーク(📎)が表示されていれば、データ分析機能(ファイルアップロード機能)が利用可能な状態です。

対応ファイル形式

アップロードできる主なファイル形式は以下の通りです。非常に多くの形式に対応しています。

カテゴリ主な対応形式
表計算・データ.xlsx (Excel), .csv, .tsv, .json
文書.pdf, .docx (Word), .txt, .rtf, .md, .html, .xml
コード.py (Python), .js, .java, .c, .cpp, .rb など多数
画像.jpg, .jpeg, .png, .gif, .bmp, .webp, .tiff
圧縮ファイル.zip, .tar

※上記は一例です。対応形式は随時追加・変更される可能性があります。

ファイルアップロード手順

  1. ChatGPT (GPT-4モデル選択状態) のチャット入力欄の左側にあるクリップマーク(📎)をクリックします。
  2. ファイル選択ダイアログが開くので、アップロードしたいファイルを選択します。(複数選択も可能です)
  3. ファイル名が入力欄に表示されたら、そのファイルに対する指示(プロンプト)を入力して送信します。
    • 例: (sales_data.csvをアップロード後)「このCSVファイルを読み込んで、内容の概要を教えてください。」

アップロード制限について

ファイルをアップロードする際には、いくつかの制限があります(2025年4月時点の目安)。

  • ファイルサイズ: 1ファイルあたり最大512MB
  • テキスト/文書: 1ファイルあたり最大200万トークン
  • CSV/Excel: 1ファイルあたり約50MB程度まで推奨
  • 画像: 1ファイルあたり最大20MB
  • 同時アップロード: 1メッセージあたり最大20ファイル
  • 総容量: ユーザーあたり10GB、組織(Team/Enterprise)あたり100GB
  • 回数制限: GPT-4oモデルのメッセージ制限の一部としてカウントされる可能性あり(例:80メッセージ/3時間の中にファイル処理も含む)

これらの制限値は変更される可能性があるため、大量のファイルを扱う際はご注意ください。

【実践ステップ別】データ分析活用事例

それでは、具体的な活用事例をステップごとに見ていきましょう。ここでは、架空の売上データ(ExcelまたはCSV)を例に進めます。

ステップ1:データの読み込みと概要把握

まずはアップロードしたデータをChatGPTに理解させます。

  • プロンプト例: 「アップロードした売上データ.xlsxを読み込んでください。最初の10行を表示し、各列のデータ型と、数値列(売上、数量、単価など)の基本的な統計量(件数、平均、標準偏差、最小値、最大値)を教えてください。」
  • ポイント:
    • ファイル名を正確に指定します。
    • 具体的なアクション(読み込み、表示、統計量計算)を指示します。
    • これにより、データが正しく読み込まれたか、どのようなデータが含まれているかを確認できます。

ステップ2:データクリーニング

分析しやすいようにデータを整えます。

  • プロンプト例:
    • 売上列に空欄(欠損値)はありますか?もしあれば、その行を削除してください。」
    • 顧客IDが重複しているデータはありますか?重複している場合は、最初のレコードだけ残して他は削除してください。」
    • 日付列が文字列になっているようなので、日付型に変換してください。」
  • ポイント:
    • 欠損値や重複の有無を確認し、その処理方法(削除、特定の値で埋めるなど)を具体的に指示します。
    • データ型の不整合があれば修正を指示します。

ステップ3:データの集計と加工

必要な情報を抽出したり、計算したりします。

  • プロンプト例:
    • 商品カテゴリ別にグループ化して、それぞれの売上合計と平均数量を計算し、表形式で表示してください。」
    • 単価列と数量列を掛け合わせて、新しい列合計金額を作成してください。」
    • 顧客列の値が『A社』または『B社』のデータだけを抽出してください。」
  • ポイント:
    • グループ化のキーとなる列、集計したい列、計算方法(合計、平均、件数など)を明確に指定します。
    • 新しい列の作成や、特定の条件でのデータ抽出も可能です。

ステップ4:データの可視化(グラフ作成)

分析結果をグラフにして分かりやすくします。

  • プロンプト例:
    • ごとの売上合計の推移を折れ線グラフで表示してください。グラフタイトルは『月別売上推移』、Y軸ラベルは『売上(万円)』としてください。」
    • 商品カテゴリ別の売上構成比を円グラフで作成してください。各カテゴリ名とパーセンテージも表示してください。」
    • 広告費売上の関係を見るために、散布図を作成してください。」
  • ポイント:

ステップ5:簡単な分析と洞察

データから読み取れることを尋ねてみます。

  • プロンプト例:
    • 「このデータから、売上が特に伸びている商品カテゴリはどれですか?」
    • 売上と相関が高そうな列はどれですか?理由も説明してください。」
    • 「来月の売上を、これまでの傾向から簡易的に予測してください。」
  • ポイント:
    • 具体的な質問を投げかけることで、AIにデータ解釈や簡単な予測を行わせることができます。
    • ただし、AIの分析結果はあくまで補助的なものとして捉え、最終判断は自身で行うことが重要です。

【応用編】さらに高度な使い方

基本的な使い方に慣れてきたら、以下のような応用も可能です。

  • 複数ファイルの処理: 2つのExcelファイルをアップロードし、「共通IDをキーにして、この2つのファイルを結合し、結果を新しいExcelファイルとしてダウンロードできるようにしてください。」
  • PDF/Wordからの情報抽出: 議事録のPDFをアップロードし、「この議事録から、主要な決定事項、担当者、期限を抜き出してマークダウン形式の表でまとめてください。」 (参考:ChatGPTで日本語OCR!画像やPDFの文字認識を試す方法と精度
  • Pythonコードの実行: 「このCSVファイルのデータ列に対して、〇〇という統計処理を行うPythonコードを作成し、実行してください。」
  • 画像データの分析: 製品の写真をアップロードし、「この画像から製品の色と主な特徴をテキストで説明してください。」

プロンプト作成のコツと注意点

データ分析機能を最大限に活用するためのプロンプトのコツと注意点です。

  • 明確かつ具体的に: 何をしたいのか、どのファイル/列を使うのか、期待する出力形式は何か、を具体的に指示しましょう。曖昧な指示は意図しない結果に繋がります。
  • ステップ・バイ・ステップで: 複雑な分析は、一度に全ての指示を出すのではなく、「まず読み込んで」「次にクリーニングして」「それから集計して」のように、段階的に指示を出す方が成功しやすいです(経験則)。
  • コードを確認する習慣を: ChatGPTが裏でどのようなPythonコードを実行したかを確認できます(「Show work」などで表示)。意図通りの処理が行われているかチェックする癖をつけると、理解が深まり、エラーの原因特定にも役立ちます(専門性)。
  • エラー発生時は対話で解決: エラーが出ても諦めずに、「なぜエラーになったの?」「〇〇というエラーが出たんだけど、どうすれば修正できる?」とChatGPTに尋ねてみましょう。解決策を提案してくれることがあります。(参考:ChatGPT Plus エラー・トラブルシューティング
  • データプライバシーを意識する: 機密性の高い個人情報や企業秘密を含むファイルのアップロードは慎重に行いましょう。OpenAIのデータ利用ポリシーを確認し、必要であればチャット履歴とトレーニングをオフにするなどの対策を検討してください。(参考:ChatGPT Plusのセキュリティとプライバシー
  • 限界を理解する: この機能は非常に強力ですが、万能ではありません。扱えるデータ量には制限がありますし、非常に高度な統計分析や専門的なモデリングには限界があります。あくまで「アシスタント」として活用しましょう。

まとめ:ChatGPTデータ分析で作業効率を劇的に向上させよう

ChatGPT Plusのデータ分析機能は、これまで専門知識や専用ツールが必要だったデータ関連作業のハードルを大きく下げ、誰でも簡単に対話形式で実行できるようにする画期的なツールです。

ExcelやCSVファイルの集計・可視化、PDFからの情報抽出、簡単なコーディング作業など、活用できる場面は多岐にわたります。

この記事で紹介した使い方やプロンプトのコツを参考に、まずは身近なデータで試してみてください。きっと、あなたの業務や学習の効率が劇的に向上する体験ができるはずです。さらに多くの活用例を知りたい方は、ChatGPT Plus 活用方法30選もご覧ください。

早川 誠司(執筆・監修専任)
生成AI活用コンサルタント/業務効率化アドバイザー
大手IT企業でDX推進に従事後、独立。100社以上の中小企業に生成AIソリューションを提供。「すぐ使える業務効率化」をモットーに発信中。
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