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ChatGPT PlusとSora:動画生成機能の現状と使い方・制限【2025年最新情報】

ChatGPT PlusでSora 動画生成ガイド

早川 誠司|生成AI活用コンサルタント/業務効率化アドバイザー

「ChatGPTで、ついに動画も作れるようになったって本当?」

「OpenAIの動画生成AI『Sora』って聞いたけど、Plusユーザーでも使えるの?」

「どうやって使うの?料金はかかる?制限はある?」

「テキストから動画が作れるなんて、すごいけど注意点とかないのかな…」

テキストから画像を生成するDALL-E 3に続き、OpenAIが発表した動画生成AI「Sora」は、その驚異的な品質で世界に衝撃を与えました。そしてついに、ChatGPT Plusユーザーもこの最先端技術に触れることができるようになりました。

この記事では、OpenAI Soraについて、

  • SoraとはどんなAIなのか?
  • ChatGPT Plusユーザーの利用条件(料金、制限、利用方法など)
  • Sora (sora.com) の基本的な使い方
  • 効果的な動画生成プロンプトのコツ
  • 利用する上での重要な制限事項や注意点(コンテンツポリシー、著作権など)

といった内容を、2025年4月時点の最新情報に基づいて詳しく解説します。この記事を読めば、Soraがどのような技術で、あなたがどのように利用でき、何を注意すべきかが分かります。

(ChatGPT Plusの機能全体の概要はChatGPT Plusでできること総まとめ!をご覧ください。)

目次

Soraとは? OpenAIが開発した動画生成AI

Soraは、OpenAIによって開発された、テキストの指示(プロンプト)や静止画像から、最大60秒(※現在は最大20秒で提供開始)の高品質な動画を生成できるAIモデルです。

  • 驚異的なリアリティと一貫性: 生成される動画は、非常にリアルな映像から、想像力豊かなアニメーションまで多岐にわたり、多くの場合、動画内のオブジェクトや背景の一貫性が高く保たれます。
  • 多様な生成方法: テキストからの生成だけでなく、既存の静止画像をアニメーション化したり、既存の動画を拡張したり編集したりすることも可能です。
  • 物理世界の理解: Soraは単なる動画生成ツールではなく、プロンプトに基づいて物理世界をシミュレートする能力を持つ「ワールドシミュレーター」としての側面も持っているとされています。これにより、より自然でリアルな動きや相互作用を表現できます。

2024年2月に技術デモンストレーションが公開され、その能力の高さから大きな話題となりました。

ChatGPT PlusユーザーはSoraを使える?【現在の提供状況】

大きな注目を集めていたSoraですが、ついにChatGPT Plusユーザーも利用できるようになりました!

  • 提供開始日: 2024年12月9日
  • 対象ユーザー: ChatGPT Plus および ChatGPT Pro の加入者。
  • 利用方法: ChatGPTのインターフェース内ではなく、専用のWebサイト sora.com にChatGPT Plus/Proアカウントでログインして利用します。
  • 料金(ChatGPT Plusの場合):
    • 追加料金なし: 現在のChatGPT Plusの月額料金内で利用できます。
    • 利用制限: 月あたり50動画(標準的な480p解像度で生成した場合の換算)まで 無料で生成できます。
    • クレジット制: 動画の生成には「クレジット」が消費され、高解像度(720p, 1080p)で生成したり、より長い動画(将来的に対応した場合)を生成したりすると、より多くのクレジットを消費し、生成可能本数は少なくなります。具体的なクレジット消費量は sora.com 内で確認できます。
  • Proプランとの違い: ChatGPT Proユーザーは、Plusの10倍の利用量(クレジット)、より高解像度・長時間の生成が可能です。
  • 利用可能地域: ChatGPTが利用可能な多くの国・地域でアクセスできますが、英国、スイス、欧州経済領域(EEA)は現在対象外です(今後拡大予定)。
  • 対象年齢: 18歳以上のユーザー限定です。
  • Team/Enterprise/Eduプラン: 現時点ではこれらのプランの特典には含まれていません。
  • 新規アカウント: アカウント作成直後など、一時的に動画生成機能が利用できない場合があるとの報告もあります。

このように、Plusユーザーであれば追加費用なしでSoraを試せるようになったのは大きなニュースです!ただし、無制限に使えるわけではなく、クレジット制による利用制限がある点に注意が必要です。

Sora (sora.com) の主な機能と使い方

sora.com にログインすると、以下のような機能を使って動画生成を試すことができます。

  1. テキストから動画生成 (Text-to-Video):
    • プロンプト入力欄に、生成したい動画の内容、登場人物、アクション、背景、カメラワーク、スタイルなどを詳細にテキストで記述します。
    • 例:「ゴールデンレトリバーの子犬が、春の陽気な公園の芝生の上を元気に走り回っている。スローモーションで撮影したような映像。」
    • 「Generate」ボタンを押すと、動画の生成が開始されます(クレジットが消費されます)。
  2. 画像から動画生成 (Image-to-Video):
    • 静止画像(自分で撮影した写真やAIで生成した画像など)をアップロードします。
    • その画像をどのように動かしたいか、テキストで指示を与えます。
    • 例:(猫の写真と共に)「この猫がゆっくりと瞬きをするアニメーション」
  3. 動画から動画生成 (Video-to-Video):
    • 既存の短い動画クリップをアップロードします。
    • 動画のスタイルを変更したり(例:「この実写映像をアニメ風にして」)、動画の前後の時間を拡張してシームレスなループ動画を作成したりできます。
  4. 設定項目:
    • 解像度: 480p, 720p, 1080pなどから選択(Plusでは高解像度ほどクレジット消費増)。
    • 動画の長さ: 現在は最大20秒まで。
    • アスペクト比: ワイドスクリーン(16:9)、縦長(9:16)、正方形(1:1)など。
  5. その他の機能:
    • ストーリーボードツール: より細かくシーンを設計できるツール(提供状況は要確認)。
    • Featured / Recent フィード: 他のユーザーが作成した(公開設定された)動画を見て、インスピレーションを得ることができます。

生成された動画はプレビューでき、ダウンロードして利用することが可能です。

Sora動画生成のプロンプトのコツ

高品質で意図した通りの動画を生成するためには、プロンプトの工夫が重要です。画像生成のコツ(ChatGPT Plus画像生成(DALL-E 3)完全ガイド参照)に加え、以下の動画特有の要素を意識しましょう。

  • 動き (Action/Motion): 「走る」「ジャンプする」「ゆっくりパンする」「ズームインする」「回転する」など、被写体やカメラの動きを具体的に指示します。
  • 時間経過 (Time): 「日の出から日中へ」「花が徐々に咲いていく様子」など、時間の変化を表現させたい場合に指示します(複雑なものは難しい場合あり)。
  • シーン展開 (Scene Description): 複数のシーンを含む動画の場合、各シーンの内容や繋がりを記述します(現在のバージョンでは限定的か)。
  • カメラワーク (Cinematography): 「ドローンショット」「クローズアップ」「ローアングル」「手持ちカメラ風」など、映像の撮り方を指定します。
  • スタイルと雰囲気 (Style/Mood): 「映画のような」「ドキュメンタリー風」「サイレント映画風」「トゥーンレンダリング」「幻想的な雰囲気」など、全体のトーンを指定します。
  • 具体性: 画像生成と同様、被写体、背景、色、光などを詳細に描写することが基本です。

例: 「雄大な雪山の頂上からドローンがゆっくりと下降していく空撮映像。時間は早朝で、太陽が昇り始めており、山肌がピンク色に染まっている。息をのむほど美しく、静謐な雰囲気。4Kシネマティック。」

Soraの利用制限と注意点

革新的な技術であるSoraですが、利用にあたっては以下の制限や注意点を必ず理解しておきましょう。

  • Plusユーザーの利用制限: 月50動画(480p換算)までの無料枠があります。高解像度での生成はより多くのクレジットを消費します。上限を超えて利用したい場合は、現状Proプランへのアップグレードが必要です。
  • 生成時間: Sora Turboモデルにより高速化されましたが、それでも動画生成には数分程度の時間がかかる場合があります。
  • 品質と限界:
    • 驚くほどリアルな動画を生成できますが、まだ完璧ではありません。
    • 物理法則の破綻: 時折、物が不自然に曲がったり、重力が無視されたような動きをしたりすることがあります。
    • 複雑な相互作用: 複数のキャラクターやオブジェクトが複雑に絡み合うシーンの描写は苦手な場合があります。
    • 長時間の因果関係: 長い動画になると、前後で矛盾が生じたり、キャラクターの見た目が変化したりすることがあります(現在の最大20秒でも起こりうる)。
  • コンテンツポリシーと安全性:
    • OpenAIの安全ポリシーが適用され、暴力的、性的、憎悪的、欺瞞的なコンテンツ等の生成は厳しく禁止されています。
    • 実在の著名人: 許可なく実在の人物(特に著名人)をリアルに描写することはできません。
    • ディープフェイク対策: 安全性が確認されるまで、ユーザーがアップロードした人物画像からの動画生成は制限されています。
    • 著作物: 著作権で保護されたキャラクターやロゴなどの生成も制限されます。
  • ウォーターマークとメタデータ:
    • AIによって生成されたことを示すため、生成された動画には目に見えるウォーターマーク(Soraロゴ)がデフォルトで付与されます(設定でオフにできるかは要確認)。
    • C2PAという標準規格に準拠したメタデータも埋め込まれ、AI生成物であることを技術的に示します。これは偽情報対策の一環です。
  • 著作権と商用利用:
    • DALL-E 3と同様に、生成された動画の権利は規約遵守を条件にユーザーに譲渡されるとされていますが、法的な扱いはまだ確立されていません
    • 商用利用の可否や条件については、OpenAIの最新の利用規約を必ず確認し、特に重要な用途では専門家(弁護士など)に相談してください。既存の映像作品との類似性による権利侵害リスクにも注意が必要です。(参考:ChatGPT Plusのセキュリティとプライバシー

Soraの将来性と期待される活用分野

Soraはまだ提供が開始されたばかりですが、そのポテンシャルは計り知れません。今後、以下のような分野での活用が期待されています。

  • 映像制作: 映画のプリビジュアライゼーション、CM制作、アニメーション制作、VFX。
  • 教育: 歴史的場面の再現、科学現象の視覚化など、理解を助ける教材作成。
  • ゲーム開発: ゲーム内カットシーンや背景動画の作成。
  • デザイン・建築: 製品のプロモーション動画、建築物の完成予想イメージ動画。
  • 個人のクリエイティブ: 短編映画制作、ミュージックビデオ、SNS用動画コンテンツ。

モデルの性能向上や機能追加により、さらに活用の幅は広がっていくでしょう。

まとめ:Soraは動画制作の未来を変えるか? Plusユーザーが知っておくべきこと

OpenAI Soraは、テキストや画像から驚くほど高品質な動画を生成できる、まさに次世代のAI技術です。そして今、ChatGPT Plusユーザーであれば、追加料金なしで(制限付きながら)その力を体験することができます。

専用サイト sora.com で利用でき、プロンプト次第で様々な動画コンテンツを生み出す可能性を秘めています。

しかし、その利用にあたっては、クレジット制の利用制限、コンテンツポリシーの遵守、著作権やディープフェイクなどの倫理的・法的リスクを十分に理解し、責任ある使い方をすることが不可欠です。

Soraはまだ発展途上の技術であり、限界もありますが、今後の進化によっては動画制作のあり方を大きく変えるかもしれません。まずはPlusの無料枠を使って、その可能性を探ってみてはいかがでしょうか。

早川 誠司(執筆・監修専任)
生成AI活用コンサルタント/業務効率化アドバイザー
大手IT企業でDX推進に従事後、独立。100社以上の中小企業に生成AIソリューションを提供。「すぐ使える業務効率化」をモットーに発信中。
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